地域コーディネーターの声 海側エリア(福吉校区)
川遊びや見守り隊…豊かな自然と、新旧の住民がつながる場が魅力

#地域コーディネーターの小泉さん(左)と廣澤さん(右)
――福吉校区に住んでどのくらいになりますか?福吉校区に住むようになった経緯と普段はどんな生活をしているかお聞かせください。
廣澤さん: 福吉で生まれ育って77年になります。1970年の23歳の時、一度福吉を離れて千葉の製鉄所で7年ほど働き、29歳で農家を継ぐために戻ってきました。農業だけでは生計が成り立たないので、ガスの保安点検の仕事も始め、2011年に67歳で退職しました。 2015年から2021年までの7年間は区長を務めました。今は、午前中は妻と一緒に畑作業、午後は自分の時間をゆっくり過ごすことが楽しみのひとつです。他にも退職してから地元の歴史に興味を持ち、いろいろと調べているので機会を見つけて次の世代に伝えていきたいですね。
小泉さん: 福岡市出身で、夫と娘(小4)、息子(小1)の4人家族です。東京都稲城市に12年間住んでいて、子どもたちは東京生まれですが、ずっと自然が多いところで子育てをしたいと夫と話していました。夫の出身は青森県、私は福岡県で、寒さを考慮して福岡県を選び、2023年春に福吉に移住しました。移住先を選ぶ時に大切にしたのは、自然が多いことと、子どもたちの教育環境で文化的な機会が多そうだというところです。大学時代からの知人のSNSがきっかけで福吉を知り、子育ての様子や福吉の風景を見て生活のイメージが湧いたんです。 ただ、物件探しはとても不安でした。3月に退職して、4月から新しい職場で働くことが決まっていたので時間がなくて。糸島市の移住相談窓口で定住支援員の方に相談したほか、オンラインの移住相談では地域コーディネーターの方にもお話を伺いました。いろいろ探しましたが借家は見つからず、結局インターネットで見つけた新築物件を購入しました。 今は非常勤講師として働きながら、フリーランスで雑貨販売も行っています。2007年から2009年まで青年海外協力隊で西アフリカのブルキナファソで活動していて、ブルキナファソとずっとご縁があり、アフリカの布や雑貨を月に2〜3回マルシェなどで販売しています。雑貨販売は自分のペースでできるので時間の余裕ができました。
――子育て環境はいかがですか?
廣澤さん: 自然がたくさんあるので、子どもたちを遊ばせる環境としてはとてもいいと感じています。地域でいろいろなイベントも開催しているので、地域の方とのコミュニケーションも取りやすいと思います。小泉さん: 夏には流しそうめん、お盆にはかずら引きや子ども相撲大会があります。移動動物園や産業祭りもあり、神幸祭などの祭りで行われる餅まきには今年2回ほど参加しました。子どもたちが楽しめるイベントがたくさんありますし、皆さんと知り合えて、顔見知りになれる場なので積極的に参加しています。 各行政区で見守り隊の方が小学生の通学路に毎朝立ってくれることもすごく助かっています。通学路は意外と交通量が多いので、見守り隊の方が立ってくれることと、子どもの顔と名前を覚えていて、「今日は誰が来ていない」「遅れている」など、把握してくれていることに安心感があります。 大入と鹿家の行政区に住む小学生は電車で通学していますが、見守り隊の方が駅まで見送ってくれて、保護者がついて行かなくてもいいので、本当に助かっています。
廣澤さん: 私も見守り隊の一員ですが、見守り隊や夏の流しそうめん、移動動物園は糸島市青少年育成福吉校区民会議の取り組みの一つとして行われています。産業祭りは福吉産業まつり実行委員会が主催し、餅つき大会は私が区長の時に企画して今も継続されています。お盆のかずら引きや子ども相撲大会、10月の白山神社から海岸まで練り歩く神幸祭は伝統行事として、その地域の方々が中心となって行っています。こうした行事があることで、新しい住民の方や地域の方とコミュニケーションが取れるのがいいですね。

#餅つき大会の様子
――生活利便性はいかがですか?
廣澤さん: 車がないと不便ですが、車があれば買い物なども特に困りません。病院は福吉病院もありますし、専門病院は前原地区まで行けば受診できます。
小泉さん:確かに車がないと不便ですね。車があれば唐津まで20分、筑前前原まで30分ほど。近くには「福ふくの里」という直売所もあるので、買い物には困りません。電車も通っているので、福岡空港や天神、博多に行けるところは便利です。ただ、夫と私でそれぞれ車を所有しないといけなくなったことや、下水道が通っていないので浄化槽が必要になり生活コストは少し高くなりました。水道代も東京の時より高く感じます。その2点だけが以前の生活と比べると想定外の出来事でしたね。生活コストは上りましたが、他の面では特に困っていませんし、今の福吉での暮らしにはとても満足しています。
――福吉校区の気に入っているところ、アピールポイントを教えてください。
廣澤さん: 豊かな自然が一番の魅力です。子どもたちと潮の満ち引きを利用した魚釣りに挑戦したことがあります。満潮の時に海から川にスズキやクロダイが上がってくるので、網を張って捕まえるんです。小さい魚やゴミが多く網にかかってしまいましたが、またやってみたいですね。二丈岳や十坊山の山登りもお勧めです。頂上からの眺めはとてもきれいですよ。小泉さん: 海・山・川・田んぼ、すべてが揃っているので、四季折々の自然の変化を感じられるのがいいですね。季節によって海岸から見える夕日の沈む場所が違うんです。田んぼの風景も、夏は緑色の稲が綺麗で、秋になると黄金色に輝いています。5月には二丈赤米産直センター周辺の田んぼに鯉のぼりがたくさん飾られるのも季節を感じますね。
川遊びは佐波の加茂川がおすすめです。日陰があって、川は浅いので小さな子も遊びやすいですよ。息子はいつも川でカニなどを獲っています。

#十坊山頂上からの景色

#夏場の川遊びスポットの加茂川
――これまでにどんな相談がありましたか?移住相談で印象に残ったエピソードはありますか?
廣澤さん: これまで3〜4件の相談を受けました。アメリカの方や埼玉県の方がいましたね。その時相談を受けたアメリカの方は最近移住してこられましたよ。 相談を受けた中で多かったのは、「地域の雰囲気はどんな感じですか」という質問でした。田舎だから、いろんな地域活動とか、やらないといけないこととか、どういう関わり方をしているんだろうって気になったのだと思います。
小泉さん:「 当番が回ってきたりとか、参加しないといけない活動があったりするのですか?」という質問もありました。その時は年に2〜3回、川掃除や地域清掃がありますとお答えしました。相談者は子育て世代が多く、自然が多いところに興味を持っている方が多いです。移住してきてくれたら嬉しいなという思いで接していますが、福吉のいいところや不便なところ、子育て環境など正直に話しています。
――移住を検討されている方へのメッセージをお願いします
廣澤さん: 年に1回、公民館に集まって新住民の方と地元住民の方の懇親会を開く行政区もあり、30人くらい集まって一品持ち寄りでわいわいやります。どんな人が来たのか、みんなで知り合える良い機会です。子どもがいれば、子ども同士で仲良くなれますし、新しく入ってきても困ることはないと思います。小泉さん: 地域とのつながりは、とても密接というわけでもなく、かといってつながりが薄いわけでもない、ちょうどいい距離感です。子どもを連れて歩いていると、道で会う人が挨拶してくれたり、野菜やお魚をお裾分けしてくれたり、みんな優しいです。 近くに海があるのでふらっと散歩に行ったり、リラックスしたりできる環境があります。東京でフルタイムで働いていた時と比べて、時間に追われず、気持ちの余裕ができたことが福吉に住むようになって一番の変化ですね。 季節ごとの地域行事に参加する時や、季節の野菜を選んだり食べたりする時に、自然の移り変わりを感じられますし、暮らしている実感があります。私は福吉がとても好きです。

#夕焼けが綺麗な福吉の海
プロフィール(2025年12月現在)
●廣澤さん●福岡県出身●糸島在住歴 70年(取材時)
●小泉さん●福岡県出身●糸島在住歴 約3年(取材時)
























