地域コーディネーターの声 山側エリア(一貴山校区)

糸島で最も広い面積の耕作地、夏は緑、秋は黄金色の田園風景


地域コーディネーターの江藤さん(左)と久保田さん(右)
――一貴山校区に住んでどのくらいになりますか?一貴山校区に住むようになった経緯と普段はどんな生活をしているかお聞かせください。
久保田さん: 家を建てて住んで20年です。春日市の出身ですが、仕事で東京に長く住んでいました。50歳のころから田舎暮らしを考え出し、夫は釣りが好きなので、海が近い糸島に住みたいと考えるようになりました。夫と何度か東京から1泊2日で土地探しをして、加布里や志摩にも候補はありましたが、今住んでいる土地と巡り合って2005年に引っ越しました。現在は母屋の横に夫が作った木造の小さな建物で、たまにコーヒーと手作りお菓子をお客様へお出しするカフェをしています。趣味の詩吟や畑仕事をして、静かな環境で田舎の暮らしを楽しんでいます。

江藤さん:私は兵庫県出身です。結婚後は佐賀に住んでいましたが、糸島へ引っ越し、深江の借家に3年住んだ後に家を建てることにしました。夫の仕事の都合でJR筑肥線沿線の土地を探し、一貴山駅まで歩いていける場所に決めました。最初は古民家再生に興味があったのですが、夫が難色を示したので新築に。私のこだわりで土壁と国産材を使い伝統工法を叶える工務店に依頼し、家を建てて14年になりました。私は普段、糸島市で仕事をしながら3人の子育てをしています。どんなに忙しくても夕方に犬の散歩に行き、田園と脊振の山の素晴らしい景色を見て、1日を終えるようにしています。
 
――子育て環境や生活利便性はいかがですか?
久保田さん: 一貴山には大きなスーパーはありませんが、加布里に行くとたいていの物が買えます。車がない方は少し不便を感じるかもしれませんが、一貴山には自主運行バスの「いきさん号」があります。予約したら利用でき、スーパーなど生活必需品を購入できる場所へ連れていってくれます。一貴山小学校は歩くことを推奨する取り組みがあり、歩く距離が長い地域の児童は足腰がとても丈夫になります。一貴山には登校中の安全を見守るボランティアの見守り隊の方々がいて、毎朝子どもたちに付き添って一緒に歩いてくれるので、安心して子どもを送り出せます。

江藤さん:私は自転車で加布里のスーパーまで行くこともあります。直売所も近いので新鮮な野菜もすぐ買いに行けます。加布里には病院もスーパーもなんでも揃っているので不便は感じません。ただ子どもの習い事をする場合、近くにあまりないので、車での送迎が必要になります。
 私の家から小学校へは50分位です。登校中、田んぼ脇の草花や小さな生き物たちが、季節の移ろいを教えてくれます。子どもが安全に通学でき、挨拶ができるようになったのは、見守り隊の方々のおかげです。
 

JR筑肥線と田園風景
――一貴山校区の気にいっているところ、アピールポイントを教えてください。
久保田さん: 麦畑ですね。一貴山の平野は糸島で一番広く、滑らかなじゅうたんのような麦畑がとても素敵です。麦の収穫後の初夏には水田に変わり、成長段階により夏は緑いっぱいの田んぼが広がり、秋になれば黄金に輝く稲穂が波を打ちます。色の移ろいを楽しむことができ、散歩やランニングに最適な田園風景です。私は畑の中を通る電車に光が当たる景色を見るのが好きです。1日として同じでなく、日々変わる景色が大好きです。そして、空気が澄んでいて気持ちよく、車の音などが少ないのでとっても静かです。

江藤さん:毎年8月の一貴山校区盆踊り大会は、二丈波呂にある龍国寺発祥の盆踊りで、歴史の里・曲り田野球場で行われる大きなお祭りです。龍国寺は鎌倉時代に源平合戦で亡くなった平重盛の側室と、その子どもたちの供養のために建立したといわれています。その後江戸時代に波呂の人々が京都で習った笛太鼓と踊りが伝えられ、今も地域住民が奏でる盆笛、太鼓と口説き(唄)に合わせて踊り継がれています。

久保田さん:私は盆踊りの季節になると、学生時代のフルートの経験を生かして子どもたちと一緒に盆笛を吹いています。 


一貴山校区の盆踊り(写真:江藤さん提供)
――これまでにどんな相談がありましたか?移住相談で印象に残ったエピソードはありますか?
久保田さん:私が地域コーディネーターになって2組の対応をしました。そのうちの1組は北海道からの移住希望者でお子さんがいる方でした。一貴山駅付近から学校まで1時間くらいかかり、地域の人に見守られながらの登校や、お店や病院などが近くにあることを気に入っていただき、お話はたくさんできましたが、条件に合った借家が見つからず、悔しい思いをしました。

江藤さん:もう1組は、糸島市が主催する転居相談会に来ていた方で、一貴山での暮らしのお話をしました。私はコロナ禍前に、久保田さんの前任の方ともコーディネーターをしていて、福岡市からの移住検討をしている独身の方や、既に購入済みの土地の地域の雰囲気を事前に聞きたいというご夫婦からの相談もありました。みなさん一貴山では穏やかに過ごせそうだといった感想を持たれ、好印象だったのを覚えています。そもそも一貴山自体を知って相談に来る方は多くないので、もっと地域の魅力を発信していくことができたらいいなと思っています。


いきさん展望台から眺める一貴山校区
――移住を検討されている方へのメッセージをお願いします。
江藤さん:お祭りなど大きな行事は少ないですが、とても静かで穏やかな地域なので、ご自身のやりたいことや好きなことを突き詰めながら生活できる地域だと思います。JR一貴山駅や西九州自動車道につながるバイパスも近いです。糸島市の山側にも海側にも行きやすいので、通勤やプライベートの時間は充実すると思います。箱島やフォレストアドベンチャーなど、最近人気な場所も増えてきました。一貴山の知名度はまだまだ低いですが、住んでみるととても良いところです。ぜひ一度、一貴山へお越しください。

久保田さん:田舎暮らしでは地域の人たちとの関係に不安を抱くかもしれませんが、一貴山は良好な人間関係が築かれていると感じます。温厚でまじめな人が多い印象で、年に数回ある地域の活動にもみなさん積極的に取り組んでいます。車の通りが少なく地域全体が物静かで、穏やかな時間が流れる一貴山です。みなさんのお越しをお待ちしております。


船越湾に浮かぶ箱島。観光客に人気

プロフィール(2025年12月現在)  

●久保田さん●福岡県春日市出身●糸島在住歴 20年(取材時)

●江藤さん●兵庫県出身●糸島在住歴 17年(取材時)