2015移住体験宿泊体験者の声 Dさん


 

Dさん(第4期 30代 夫婦+子ども4人 自営業)

応募の経緯・動機

4人目のお子さんが生まれて2か月、Dさんは、一番上のお子さんが来春から小学生。若いときから何度も来ている糸島にいつかは住みたいと思っていたため、環境を変えるなら今のタイミングだと、今回の体験に応募した。



昔ながらの家を満喫するお子さん達(Dさん撮影)
 
スローライフを全面に感じました
 
――ご主人が静岡で仕事をしながら、4人のお子さんを抱えての参加ということで、忙しい毎日だったのではないでしょうか。

 

主人がまだ静岡にいるので、いろいろと見て回るのは土日が中心でした。
糸島自体、もともと良いイメージを持っていましたし、子どもたちはのびのびと過ごしていました。こんな感じで(インタビューしている最中も)、家の中でも激しく動いて遊んでいます。走り回れる広さがあるのがいいですね。実家は戸建だけど、一歩出ると大通りだからこんな感じではないんですよね。今回の滞在した物件の2階に、2つの部屋が押し入れでつながっている場所があって、秘密の道と呼んで子どもたちがよく遊んでいました。



 
――最近まで静岡に暮らしていたそうですが、どんなところに違いを感じられましたか?

静岡は県全体にわたって、平均的に自然があるイメージです。市内といっても、ショッピングモールから一本外れると、田んぼが広がっているような感じで。静岡県ほうが面積も大きいので、道路などのつくりがゆったりしています。福岡で思う田舎とはまたちょっとだけ違います。生活するのに最低限のショッピングモールが全体的にあって、ずばぬけて都会もなく、鈴虫が鳴いていているような場所です。
一方、福岡は都会があって、周りに田舎がある。静岡と比べると割とコンパクトで、道とかは手狭な印象はあったものの、むしろ「スローライフ」を全面に感じます。そのへんにいけば何でも揃うっていうことがなくて、それがむしろ良い。例えば、休日には家族で福岡市内に買い物に出るとかにして、平日はより自然に近い場所で生活を送り、メリハリをつけられそうです。そういう暮らしだと、家族の絆も深まるんじゃないでしょうか。

子どもが精神的に落ち着くのか、キーキーいうようなケンカが少なくなった。
 
――普段の生活と、何か違いはありましたか?

思えば、子どもを連れて糸島にきたのは今回が初めてでした。自然が多くてゆったりしているから精神的に落ち着くのでしょうか、キーキーいうようなケンカが少なくなったように感じます。
福岡市内で暮らしていると、「走ったらダメ!」と言わないといけない場所が多いんですけど、こっちだとそんなことはなくって…。子どもの自転車の練習ひとつとっても、福岡市内だと自転車を持って公園へ行かないといけないんですが、糸島ならちょっとそのへんでできるのがいいですね。


 
――滞在中、お子さんが一時期入院されたとお聞きしましたが?

そうなんです。病院に連れて行っても、思っていたより他のお子さんの数も多くて。しかも病院が休みのときに限って体を壊すんですよ。入院以外にも、小さい子どもが4人もいるといつも誰かが体調が悪くて、おまけに子ども同士で病気を伝染しあうので…(笑)。でも、それもいい経験になりました。小さい子はすぐ体調を崩すものですから。
子どもがなるべく小さいうちから自然がある場所で育ててあげたいと考えていましたが、親が思っているほどは、ゆっくり時間を取れないのかもしれませんね。なんにしても、今回の体験中に、緊急の事態がいろいろと想定できたので、良かったです。





 
子どもにとって、言葉の壁はカルチャーショック
 
――自営業をする場所を検討されているんですね。

 

上の子が小学校上がる前までにという当初の希望は、現実的に厳しいですね。今後、とりあえず主人は1、2年単身赴任にすることにしました。その間、私と子どもたちは実家に暮らそうと。まずは静岡にある今の場所をどうにかするところから。糸島に来てすぐ独立するか、求めてくれる場所があるなら一旦そこで働くという可能性もありますし、福岡市中央区にある実家をリノベーションして開業し、糸島から通勤するというパターンも。
一番のネックは開業をする場所です。場所によって地域に密着した感じになるか、割とどこの人でも来られるような感じになるか変わってくるので。滞在中も、開業をする場所をイメージしつつ、車であちこちうろうろしていました。西九州自動車道の高架下沿いに友人が美容院を開いていて、目に触れる場所で割と良くって。でも、自分で探してみても物件自体なかなかみつからないのが現状です。


 
――このままご主人は単身赴任されたまま、お子さんと福岡市内のご実家に住まわれるということですが、どのような理由で決めたのかお聞かせください。

 

静岡にいるときから、私たちは家の中では博多弁を話していましたが、いざ福岡に来ると子ども同士の「言葉の壁」があったんです。静岡弁から急に、博多弁の世界に飛び込んで、本当にカルチャーショックだったみたいで、子どもはなかなかなじめませんでした。そこをクリアーすれば楽になるんですけど…。やっと慣れてきたのに、それをまた一度静岡に戻して、また福岡に戻ってくるとなると、子どもにとって良くないなと。主人とかなり話し合いました。福岡市と糸島市の違いであればそんなに問題ないので、こっちに住んでしまえば、なんとかなるだろうと。


 
――お子さんを優先した上での決断だったのですね。数年後の糸島での暮らしについてはどのようにお考えですか?

住宅ローンは気になっていますね。本当は家を建てたいですが、一旦賃貸かな、と。私たちは古いおうちが好きで、古いこと自体はそんなに気にならなくて、むしろ落ち着きます。家の場所としては、小学校まで歩いて行き帰りができるかが悩みどころですね。たくさん歩かせるのは問題ないですが、今はいろいろと危険なことも多いじゃないですか。昔なら気にならなかったんですが…。例えば、集団登下校があって5、6年生の子が送ってくれるとか、そういうのがあると良いですね。地域によって、習わしみたいなものがどれぐらいあるのかとか、ママ友のつながりがどんな感じとか。子ども同士になったときにどうなのか。もう少し情報を集めたいと思います。
トライアルステイ中の子どもたちを見ていると、なるべくキリキリしていないところで育てられたらなって。現実的にはもう少ししてからですけど。主人が自営、というところと、こどもが暮らしやすい、という2つをメインに検討していきたいです。



 
海沿いのお店でお子さんたちと一休み(Dさん撮影)