2015移住体験宿泊体験者の声 Eさん


 

Eさん(第5期 70代 夫婦 自営業)

応募の経緯・動機

3,4年前から家さがしのためにたびたび糸島を訪れているEさん夫妻。もともと福岡市出身であるご主人は高校のときから糸島の素晴らしさを知っていて、ここ数年、友人たちの家に泊まったりしながら家を探していたが、見つからなかったとのこと。実際に住みながら家探しと、糸島を体感すべく今回の参加に至った。


加布里漁港のあちこちにみられる干物(Eさん・奥様撮影)
 
もっと糸島のことが好きになった。
――とても丁寧に滞在ノートに加布里周辺の情報を書き込んでいただきありがとうございました。糸島での生活はいかがでしたか?

ご近所の干物がおいしいんです。特にメザシが至高。近所の方と仲良くなって、オススメのお店を教えてもらえました。お月様が明るいとアジがたくさん獲れないなんていうお話も聞かせてもらい、とても面白かったです。近くの肉屋さんもお気に入りです。 滞在していた加布里では、お茶をしに行くようなおばちゃんや、玄関先で長話をするおばあちゃんたちと出会い、仲良くさせていただきました。二丈の直売所で知り合ったおばさんは、物件を一軒紹介してくれました。「はよ、よか家が見つかると良かね」と言ってくださり、元気が出ます。区長さんにも相談に乗っていただき心強かったです。 トンビの旋回する鳴き声、雨が屋根に当たる音、夕方5時のチャイム。自然や暮らしの音に耳を傾けられたこの貴重な経験は宝物です。

――2,3泊で何度も糸島に来られていると思いますが、今回3週間滞在したことにより得られたことはありましたか?

まずもって、地域の人と交流が出来たことです。より深いところまで糸島を知ることができ、自然を身近に感じられました。滞在中は毎日夕焼けを見にあちこちに行ってて。 また、今までは糸島をひとくくりで認識していましたが、エリアごとの空気や個性があることもわかりました。そして何より、希望のタイプの一軒家を探すことが難しいこともよくわかりましたね。 あとは、自動車ですね。妻が長く運転をしていなかったので、それさえクリアすれば、すべてがあり、豊かだと感じます。東京の移動時間を考えてみると抵抗はありません。

――反対に、ハードルに感じる面はありませんでしたか?

筑前前原までは便利ですが、交通の便は気になりました。今回は車なしで参加しましたが、もちろん車があれば問題ないですね。1人1台、軽自動車があると良いのかなと。 あとは、病院の問題でしょうか。周りの人に言われたんですが、ちょっと調子が悪いときは近くの病院に行きますけど、紹介状を出されて大きい病院へ行くことになると、処置まで時間がかかる場合もあるので。 今回はお客さんだから親切にしてもらいましたが、地域の人間関係や付き合い方までは、20日間じゃわからない。地域に入っていくにしたがって、「旅行者」から「滞在者」、そして「生活者」になるとまた状況は変わるはずだと思います。

知りたいこと、大事なことは人に聞けば分かる
――今回、あえてネット環境を使わない生活に挑戦してみて、どうでしたか?

直前まではWB-FBをレンタルしようと思っていたんですが、それもやめて、スマートフォンのデザリングのみで生活をしました。最後は通信制限を超えましたが、問題なく、ラジオをずっとかけて生活しました。知りたいこと、大事なことは人に聞けばよくて、検索やクックパッドなどに頼っていた部分は、地域のおばちゃんに聞いていました。 これまでいかにインターネットに頼りすぎていたかを実感しました。テレビがなくても全然問題なく、新聞さえも読みたくなくなりました。静かに暮らすためには、そういうものはいらないんですね。 良くも悪くも都会は、刺激に慣れすぎた環境だったことを認識しました。東京は例えば、美術館の質が高かったり、面白い人が多かったりして、若いうちは良いんですけど。

物件の2階から見える漁港。静かな時間が流れる加布里(Eさん・奥様撮影)
 
――地域の人と密に交流する中で、どのような印象を持たれましたか?

糸島で会った漁師のおじさんや、黙々と農作業をしているおばちゃん、ひたすらイカの皮をむいている人。エッジがあってかっこいい。自然の中で生きている知恵がある職人というものに何か魅かれるものがあるんです。自分が自然と対話する仕事だから、特に共感するのかもしれません。 糸島に住みたい理由の一つが、「ネイティブ」。文化をずっと引き継いでいる、根付いた人達のことです。糸島でそういう人と交わることは求めたい。もちろん、自分の年齢も考慮して、コミュニティに入ってガッツリやるかは要検討ですが。


 
糸島は月明かりも空もすごくきれい
――今後はどのようにお考えですか?

写真の仕事をしているのですが、今回の滞在で撮影ポイントのことも良くリサーチできました。糸島は、月明かりも空もすごくきれいですね。まだまだ行けてない場所がたくさんあるので、1・2年かけて良い場所を探して撮っていきたいです。 また、昔の糸島を知っていると、あまり変わりすぎてほしくないとも感じます。


 
――お住まいについては?

なんとか3・4月くらいまでに物件を見つけたいです。やはり、一軒家で地面に近い暮らしがしたい。見つからない場合は、仮でどこかに住むことも検討中。マンションやアパート暮らしも視野に入れて探し始めました。 また、今までマンション暮らしだからわかりませんでしたが、一軒家の寒さがよくわかりました。ムカデ、なめくじ、蜂なども出るし、きれいごとだけじゃないなと思いますよ。


 
Eさんが魅せられた糸島の空(Eさん・奥様撮影)