2015移住体験宿泊体験者の声 Fさん

Fさん(第6期 40代 単身女性 会社員)

応募の経緯・動機

福岡市にとって糸島市はウエストコースト。複数の友人が糸島に住んでいて、何度もお邪魔したことがあり、そんなに遠くないから自分にも暮らせるんじゃないかと考えていたCさん。福岡市に通勤できる範囲内なのか見極めるために今回のトライアルステイに参加した。


(左)通勤中に毎日見ていた可也山,(右)日々、身近に感じられる自然(Fさん撮影)
 
糸島の人の気前の良さを感じて
――糸島へ通うきっかけみたいなものはありましたか?

糸島カレーフェスティバルといって、カレー好きの人がカレーを持ち寄るイベントにかれこれ10年前くらいから参加していました。今でこそ大きいイベントになっていますが、 最初の3年くらいはそれぞれが寸胴鍋でカレーを作って持ち寄ったり、インドの衣装を着てみたり、という素人集団の雰囲気で。 そのときに感じていたのは、糸島の人は、何をするにも規模が大きいということ。「白菜10玉、卵100個」みたいな。農業、作家、畜産、塩、酒など、糸島のいただきものの規模の大きさに驚きました。気前の良さを感じて、いいなと。 また、仕事が健康食品などの輸出入に関わる仕事で、安全な食への意識があって、糸島へ移住したい気持ちの後押しにもなったと思います。アパートのベランダだけでなく小さい畑で野菜などを作ってみたいです。特に保存食をつくってみたくて、本格的にいろいろやってみたいんです。

――実際に通勤してみていかがでしたか?

全然問題ないですね。通えることが分かりました。当初は電車のつもりでしたが、駅まで少し距離があったため、今回はバスで通勤しました。乗っている時間は45分ほどで、始発のバス停から2つ目だから座れるし、乗ったらあとは寝てるだけ。料金については片道750円のところが、片道500円の回数券があるんですよ。帰宅時間も18時ごろに天神でバス乗って、19時には家に着くような生活でした。

――また、今回は車がない生活に挑戦されたということですが、いかがでしたか?

車がない生活には慣れているので、支障はありませんでした。普段は自転車で移動して加布里周辺をいろいろ散策しました。一度美咲が丘駅までは行きましたが、筑前前原までは行かないなという感覚でしょうか。

意外と会話に飢えていたのかも
――実際に暮らしてみていかがでしたか?

朝、トンビの鳴き声で自然と目が覚めるんです。これは都会では感じられませんね。干物屋さんが多いから狙っているのかな?6時半くらいに起きて、時間に余裕があれば出勤前に可也山とか花とか外の写真を撮ったり、ヤギを飼っている無人の野菜販売所があって、そこでみかんを買ってバスに乗り込んだり。自然が日常的にあることがよかったですね。 今回の物件は海に近かったせいか、雨風が強い日は、ひとりじゃちょっと心細いときもありました。実際に移住するときは、暖房や布団などがしっかりしていれば大丈夫ですね。空から冬にかけての時期の糸島の状況もわかって良かったです。


 
休みの日には近所のCAFÉや無人野菜屋さんへ(Fさん撮影)
 
――自然のある生活を楽しまれたということですが、逆に、住んでみて気になった点はありましたか?

それが、あんまりないんですよ。私自身、田舎出身だから。都会出身で都会育ちの方だと、地元の人の視線が気になるという話は聞きますが、おそらく見張られていると感じるか、見守られていると感じるかの違いで。例えば地域の方とすれ違ったら、自分からあいさつしないと声はかけられないと分かっていたから積極的にするようにしていました。 むしろ、日常の中でのコミュニケーションが体験できて楽しかったですね。意外と会話に飢えていたのかもしれないです(笑)。寒いですねとか、食材をどう料理したらいいのとか。もっと長くいたら、もっと楽しくなるんじゃないかという可能性を感じました。

――食べ物にも期待されていたそうですが、実際いかがでしたか?

思った以上に近所にスーパーマーケットがなくて、結局一度も使わず、近くのお肉屋さんや干物屋さんなどの小さいお店で買っていました。買い物に不便は感じなかったですね。 前の参加者の方が連絡ノートに書いてあった、美味しい干物屋さんに初日に行きました。地元以外の人が買いに来てくれるのが嬉しいそうで、親切にしていただきました。お肉屋さんにいくと調理方法を聞いたり、八百屋さんでは飼い犬と戯れたり、お店の人と交流できました。福岡市内のスーパーだとそういうことはなかったので。 また、冬の糸島は牡蠣ですよね。今年は当たり年だそうで、近所の牡蠣小屋に何度も行きました。加布里は天然のハマグリも取れるそうですね。4人で行って1人2300円、8人で行って1人1400円とか、安いのも驚き。友人を呼びたくなります。牡蠣をたくさん買い込んで、燻製作りをしたいですね。保存食を作りたくなる環境で、道具があればすぐにでもやっていたと思う。

宿題がたくさんできた感じ
――体験を終えてみていかがですか?

週末遊びに来るのと、実際に暮らしてみるのは全く違いますね。通勤できるかは大前提として、スーパーが何時まで開いているとか、自転車だとここまで行けるとか、生活情報が分かって良かったです。 3週間いて、やりたかったけどできなかったことがたくさんありました。平日仕事に出ていたので、もっと地元の人と交流したかったです。休日の昼間に、パトロールみたいな活動を見かけて…。地域活動にもっと参加したかったですね。もっと自分から声をかける、次はこれを持ってこようなど、次に来たらあれをしたい、これをしたいと、とにかく宿題がたくさんできたという感じです。

――次はさらに充実して過ごせそうですね。最後に、移住に関してはどのようにお考えですか?

旦那さんと一緒に住めたら理想ですね(笑)。一人だとちょっと心細く感じる部分はあります。それに、こっちで生活するなら力仕事も必要でしょうし。一人で来るなら筑前前原近辺で賃貸を探そうかなと考えています。

ワンちゃんの説明書きに、ほっこり(Fさん撮影)