Cさん(第3期 30代 夫婦+子ども1人 会社員)


応募の経緯・動機


いくつかの移住先候補のひとつとして糸島を挙げられているCさん。遠隔地からの情報収集に限界を感じ、今回は娘さんとふたりでご参加いただきました。

砂浜には波に洗われて丸くなった海ガラスが
 
――元々、ご夫婦とも福岡に住んでいらした時期があるとのことですが、今回のトライアルステイに応募されたきっかけをお聞かせください。

私と夫がそれぞれ九州の出身で、大学時代も福岡で過ごしているので、いつかは九州へ移住したいという気持ちがあったんです。糸島には大学時代に海へ遊びに来たくらいで、生活という意味ではあまりよく知らなくて。情報を集めようとしても東京くらい離れていると情報はすごく少ないんですね。やはり一度住んでみることで感覚をつかみたいと思って応募しました。

――糸島での生活を終えて、特に印象的だったことはありますか?

踵屋敷(※)のオーナーさんに教えていただいて近くの砂浜に行ったとき、海ガラスを見つけたんです。昔、親戚が海ガラスでランプシェードを作っていたことがあって、きれいだなと思っていたんですが、自分で拾えるなんて思いませんでした。娘も喜んで拾っていて、素敵な思い出になりました。それから、糸島はかなり郊外のイメージだったので、伊都安蔵里(※)さんのようなおしゃれなカフェがたくさんあるのも印象的でした。


※踵屋敷(きびすやしき)…トライアルステイ物件近くの古民家カフェ。

※伊都安蔵里(いとあぐり)…川付の直売所。糸島で醤油や焼酎、酒づくりに携わってきた「旧福寿醤油」の建物を改装した店舗には、カフェやレストランも併設されている。

――実際に生活されてみて、遊びに来られていたときと比べてイメージが変わった部分はありますか?

基本的に大きくイメージが変わったということはあまりなくて、どちらかと言うと元々持っていた良いイメージが強くなったという感じですね。歩いてすぐに海へ行けたり、品質の良い食材がすぐ手に入ったり。ただ糸島の新しい一面として、人がとても魅力的だということを知りました。糸島には独特で面白い方がたくさんいらっしゃって、また、みなさん気軽に別の方を紹介してくださるんです。

――逆に生活されている中で、これは困る、心配だということはありましたか?

今回の物件がとても静かな場所にあったからだと思うんですが、夜が暗くて静かなのは少し怖かったですね。どうしても夜にコンビニなどへ出かけるのは少しためらってしまいましたね。それと、車はやっぱりあった方がいいなと思いました。今回は車を持ってきていなくて、特にレンタカーなども借りなかったんです。買い物は事前にまとめ買いしていましたし、出かけるときはたいてい福岡にいる友人たちと一緒だったので不便はなかったんですが、車ならもっと色々なところに行けたのかな、とは感じましたね。

――子育てという視点では、糸島の環境はどのように感じられましたか?

下校する子どもたちを見る機会が何度かあったんですが、ほとんどの子たちはいい意味で「普通の子」だと感じました。そういう意味では、適度にのんびりしていて良い環境だと思います。欲を言えば、学校の雰囲気などもう少し知りたかったですね。糸島市の小中学校は九州大学との連携授業などもあるとのことなので、そのあたりへの学校ごとの取組なども詳しく聞いてみたいです。あとは治安の面ですが、これはどちらかと言えば学校からの距離や、周りに同年代の子がいるかどうかにもよるので。そういった地域情報が分かると安心ですね。

加布里漁港にて
 
――今後の移住について

糸島以外にも九州全域を候補にしているので、夫の出身地の長崎や、私の地元の宮崎も視野に入れながら検討していきたいと思っています。ただ、娘が来年小学校に入学するので、タイムリミットはそのあたりかな、とも。そうすると、もし糸島ならJR筑前前原駅あたりに便利のいいマンションを借りて、理想的な物件をゆっくり探すのが一番いいのかな。あのあたりは移住者の方も多いし、人気の小学校区でもあるので。現実的にそういったやり方を考えてもいいかな、とは思っています。



「人」という新たな糸島の魅力を発見した一方で、まだまだ知らない地域での心細さにも向かい合うこととなった体験期間。家族にとってちょうどいい、のバランスが見えてくるきっかけとなったようです。