Hさん(第8期 40代 本人+子ども1人)
応募の経緯・動機
宮崎でガラス工芸作家として活動されているHさん。糸島の海に惹かれて移住を検討されていましたが、なんと今回トライアルステイの期間中に、理想的な物件に出会い、4月から糸島での生活をスタートされることとなりました。
――今回のトライアルステイに応募されたきっかけをお聞かせください。
糸島への移住を検討し始めたのは4年前なんです。仕事はほとんどオーダーで受けていて、宮崎にはこれまでお世話になったお客さんがいるので、「移住を考えている、福岡に戻ろうと思う」ということをお伝えする時間が必要だったので、長いスパンで考えていました。出身が宗像市なので、いつかは福岡に帰るつもりでいました。糸島に決めたのは、二見ヶ浦のエメラルドグリーンの海に惚れ込んでしまって(笑)4月からは子どもも中学校に上がるので、本格的な移住に向けて動くいいタイミングだと思って、トライアルステイに応募しました。
――暮らしてみて、よかったことはありますか?
食べ物がとにかく美味しかったことです。トライアルステイ物件近くの干物屋さんには何度も行きました。同じく物件近くのカキ小屋では、新鮮なカキをたくさんサービスしてもらったり。蒸しカキにレモンをキュッとしぼって食べるのが最高なんです。それから、前原で自家焙煎のコーヒー屋さんを見つけたんですが、これがまた他にないくらい美味しい!「移住したらコーヒーは絶対にここで買おう」と心に決めました(笑)
――今回のトライアルステイで移住を決められたとのことですが、期間中はどんな風にすごされましたか?
この期間中は、思い切って仕事を完全なオフにして、移住の準備にあてました。そうしているうちに、なんと理想的な家が一貴山校区に見つかったんです。離れと土間のある戸建てで、離れを工房にしようかとか、土間でバーナーを使おうかとか、色々と想像が膨らんでいるところです。滞在中に中学校へのあいさつや制服の採寸まで終わって、驚くほどトントン拍子に話が進んで、実は今でもびっくりしています。最初、物件は買うイメージで考えていましたが、まず賃貸で住むことにしました。ピンとくるような物件に出会うのは難しいですが、賃貸なら物件は多少妥協できますね。
――糸島市の子育て環境についてはどう感じられましたか?
子どもが通う予定の中学校に行ったんですが、教頭先生が学校を案内してくださってびっくりしました。校舎もきれいで、宿題をしていないと部活動に参加できなかったりと、教育熱心な校風なんだなと感じて、とても頼もしかったです。糸島市では、中学校に上がると通学距離が長くなると聞いていましたが、自転車や電車などで通学する方法についても説明してもらえて、不安が解消しました。
――暮らしてみて、今後の移住に際して不安なことはありますか?
やっぱり一番気になるのは「お客さんができるかどうか」ですね。宮崎のお客さんには、前々から糸島市への移住についてお伝えしていたんですが、こちらではまた、いちからのお付き合いになると思うので。宮崎のお客さんは糸島に興味を持ってくれて、ツアーを組んで来てくれると言って下さいました(笑)ただ、逆に考えると、仕事のスケジュールに余裕ができるということなので、気持ちにゆとりができそうなのは楽しみでもあります。制作に没頭して、疲れたら海に行って、夕日を眺めたりしながらぼんやりして、またリフレッシュして作品作りに取り組む、というようなサイクルで過ごしてみたいですね。
――トライアルステイの前と後で、糸島市のイメージは変わりましたか?
滞在中は色々なお店に行きましたが、どこのお店の方もたくさん話しかけてくださったのが、驚きつつも嬉しかったですね。ちょっと話しかけると反応がたくさん返ってきました。宮崎の人は少しシャイなので、それに比べるとずいぶんフレンドリーな土地柄なんだなと感じました。ちょっと残念だったのは、外を歩いているときに、なかなか近所の方と出会えなかったことです。期間中は特に寒かったので、そのせいかもしれないですが。移住後は、地域の方とたくさん交流できると良いなと思っています。
――印象に残った場所や景色はありましたか?
何と言っても、海に沈む夕日がとても印象的でした。滞在中は天気が荒れ気味でなかなか見られなかったんですが、最終日直前にやっと晴れて、物件近くの砂浜からものすごくきれいな夕陽を見ることができました。この夕陽と、それから海の色は、今後の作品づくりにもいい影響がありそうだなと感じました。糸島の自然と作品づくりがリンクすると良いですね。糸島市には神社がたくさんあって、それを巡るのも楽しかったです。福井の白山神社や櫻井神社、伊都宮地嶽神社へ行きました。福井の白山神社では神楽のお話なども聞かせてもらいました。移住後に神楽が見られる機会があるようなので、今から楽しみです。
――最後に、トライアルステイ全体の感想をお聞かせください。
元々、このトライアルステイに応募したときは、8月の滞在を希望していたんです。でも終わってみて感じたのは、1月で良かったなということ。もし8月だったら、子どもの中学入学までまだ半年も余裕がありましたし、夏の糸島を満喫するだけになってしまったかもしれないです。この時期だからこそ、具体的な移住に向けて真剣に取り組めたところはあると思います。地域についての情報を集める上では、地域コーディネーターの方とお話できたのが良かったです。今回は一貴山校区でお話を伺ったんですが、桜が綺麗なスポットや生活様式など、地元の方ならではのお話が聞けて、とても参考になりました。時期やご縁に恵まれて、スムーズに移住プランを実行に移せたので、本当にいい機会だったと思っています。
今回で移住先を決める、という意気込みでトライアルステイに参加されたHさん。4月から始まる糸島市での生活に向けて、期待が膨らみます。