Eさん(第5期 30代 夫婦 会社員)


――今回のトライアルステイに応募されたきっかけをお聞かせください。

以前は北九州に2年間住んでいましたが、今は東京で十数年暮らしています。東京で暮らしているうちに、「余裕を持った生活がしたいな」と思うようになりました。糸島にはクリエイターが多いという情報を妻が見つけて、糸島市に興味を持つようになり、今回の応募に至りました。


――糸島市に惹かれた理由は何ですか?

夫婦ともに出身が中国の上海なんです。上海―福岡間は飛行機で1時間40分程度と近く、糸島市は福岡空港へのアクセスも抜群なので魅力を感じました。それから、私(旦那様)の母親が大分に住んでおり、家族の距離が近くなるということも大きいですね。


JR筑肥線の筑前前原駅から直通で福岡空港まで40分

 
――数日間糸島に宿泊体験してみていかがでしたか?

時間がゆっくり流れる感じがして、一日が充実していました。ただ、夜は街頭が少なく真っ暗でなかなか慣れませんでした。また、朝5時か6時に大きな音で放送が流れたことには驚きました。驚いたことで言えば、「志摩の四季(※1)」でアオリイカが一匹650円で売っていてびっくりしました。思わず写真に撮って友人にも見せましたが、皆驚いていました。東京ではフィリピン産のものが100g470円ぐらいで売っています。新鮮な地元の食材が、毎日この価格で食べられるのは、本当に贅沢なことですよね。また、釣りの師匠(会社の糸島市出身の後輩)に釣りを教わったりもしました。糸島は海も山も近くにあるので、余暇も充実できそうですね。東京ではマンション一室買うのに5,000万円からが相場で、働いたお金は35年ローンに消えていきます。この辺りの家は大きくてうらやましいです。


※1:農林水産物直売施設


「志摩の四季」で販売されている生きたイカ

 
――今回の滞在で、糸島に対する印象は変わりましたか?

住んでみて、大きくイメージは変わりませんでした。ザ・田舎という感じ。でも、他の田舎より綺麗だと感じました。ゴミが無いし、静かで空気も新鮮。田んぼやコスモス、海の風景が美しかったです。東京の海は、砂の色のせいもあるのかもしれませんが、透明感がありません。それに比べると、糸島の海は透き通っていて気持ちが良かったです。それと、想像していたよりも広かったです。


透明度が高い糸島の海(写真は姉子の浜)

糸島にはカフェやクラフト工房が点在していますが、バラバラでもったいないと感じました。点在しているものが集まればビジネスになり、人が集まると思います。人が集まると、住みたくなるし、定住にもつながっていきますよね。私がSNSに写真をアップすると、中国の友人が「どこなの?」と聞いてきます。まだ糸島は全国的には知られていないし、一か所すばらしいところがあっても、周りに何もなければ、天神・博多に来た人が、「ちょっと足をのばしてみようか」とはなりませんよね。海外の観光地ではアクティビティを充実させるために自然や海が開発されています。たとえば、糸島に美術館やアートを取り入れても面白くなるかもしれませんね。それから、外国人はバーが好きなので、飲んで帰れない場合に泊まれる宿がもっとあればいいですよね。


――今回の滞在を体験して、今後はどんなことをしようと思っていますか?

今回は4日間という本当に短い間でしたので、もう少し長い期間で来てみたいです。電車も乗れなかったので、乗って距離感を確かめたいです。また、引津のあたりに行けていないので行ってみたいし、もう一度釣りもしたいです。妻の現在の勤務先は天神に支店があるので、こちらに住むなら異動届を出そうと思います。私は転職を考えているので、どんな仕事ができそうか少しずつ調べてみようと思います。


海でも山でも釣りが楽しめる(写真は白糸の滝下流でのヤマメ釣り)