一貴山駅から筑前深江駅にかけて、広い田んぼの中を電車が走っている風景が大好き

プロフィール(2016年3月現在)

●お住まいの校区…一貴山校区

●30代女性

●住まいの形態…賃貸一戸建

●家族構成…夫 本人 長男(9)、長女(7)

●職業…夫 会社員(福岡市) 妻 パート(福岡市)

●糸島居住歴…4年

●以前の住まい…糸島市、東京

●住まいの設備…電気・上水道・井戸水(散水用)・簡易水洗・インターネット光回線

●車の所有台数…1台

糸島での生活費・買い物事情について

1ヶ月のおよその家計を教えてください。

  • 光熱水費
    上下水道代…約1,500円ぐらい?
    電気代…約5,000〜8,000円
    ガス代…約4,000〜8,000円
  • 汲み取り…約6,000円
  • ガソリン代(1台)…約12,000円
  • 子どもの教育費(保育料・習い事など)…スポーツチーム…約500円 遠征や大会など年3〜4回別途あり

糸島市への転入前と比べて、家計の出費でどんな変化がありましたか?

 食材、特に野菜と魚が安いですね。夫は魚が好きで、東京にいるときも1匹まるごと買っていましたが、糸島は東京ではまったく考えられないほど安いです。

 反対に高いと感じるものは、自治会やインフラに関わるもの。区費や汲み取りなど毎月の支払に加え。ときどき神社や行事での別途の支払もあります。汲み取りも、夏休みなどに友人が遊びに来ると、量が増えるので高くなります。
 糸島に来てお金をかけるポイントが変わりましたね。東京にいた頃はアパレル業の仕事だったこともあり、服をよく買っていましたが、今は買わなくなりました。あるもので十分という感覚。代わりにというか、小麦粉や塩、醤油などにいいものを選ぶようになり、そこはお金をかけています。また、下水がないので洗剤やシャンプーなども、自然に優しいものを選ぶようになりました。

普段はどこで買い物をしていますか?

 食材は直売所やスーパー、生活協同組合。その他、近くの野菜の無人販売店も利用することがあります。醤油は糸島市加布里のスーパーに置いている銘柄のものを買います。日用品は生活協同組合でも買います。その他はあまり決めていません。ホームセンターやドラッグストアでも利用します。
 インターネットは何かと使いますね。好きなスパイスや本、コンタクト用品など。DVDレンタルも見たいものが店頭になく、ネット宅配レンタルを利用して借りていました。

お住まいの校区について

お住まいの校区で好きな場所やおすすめポイントは何ですか?

 JRの一貴山駅から筑前深江駅にかけて、脊振山系を背景に広い田んぼの中を電車が走っている風景は、大好きです。夜は暗闇の中を一筋の光が走り、まるで銀河鉄道みたいですよ。家の近所では子どもがカニを取ったり、バケツの中にサンショウウオが入り込んでいたりと、自然と触れ合えます。子どもを育てるには最高の環境だと思っています。

地域の人との付き合いで気をつけていることはありますか?

 行事や神社の清掃には基本的に参加しています。それと一貴山校区の運動会にも出場してがんばります。そうやって地域の高齢者の人とも顔見知りになって、子どもを見守ってもらったり、畑のことを教えてもらったりしています。

糸島市への転入について

糸島市への移住のきっかけと経緯は?

 東京では夫とアパレルのお店を自営していました。移住のきっかけは3.11の東日本大震災です。子どもが小さいのもあって原発事故の影響が心配でした。そこで福岡か沖縄に引っ越そうと考え、商売をするなら福岡のほうがいいだろうと福岡に決めました。仕事の取引先に糸島出身の人がいて、不動産屋さんを紹介してもらい、福岡市西区と糸島市で住まいを探すことにしました。同時に夫は福岡での就職面接先をインターネットの求人サイトでいくつか探し、夫婦で3日間福岡に来て、夫は面接、私は家探しをしました。
 全然福岡のことを知らないままでの家探しだったので、まずはJRが近くて、店の什器類を置ける広さを条件にしていたら、敷金0円で2ヶ月フリーレントできる賃貸マンションが見つかりました。何も地域のことを知らなかったのですが、小学校は規模が大きい学校でした。私はできれば1学年1クラスくらいのこじんまりとした小学校が良いと思っていたこともあり、すぐに次の住まい探しをしました。そして知り合いが近所にある空き家を紹介してくれて、大家さんと取引して今の家を借りて住むようになりました。

糸島市に移住してきて感じたギャップはありませんでしたか?

 近所の密な付き合いがすごい。東京は近所付き合いがなかったので戸惑いもあったけど、子どもを見守ってもらったり、農家さんが多く、じゃがいもなどいただいたり、畑の作り方を教えていただいたり。驚きました。
 行事が多いことも驚きです。9月・10月は環境整備とか運動会とか神待ちとか毎週何らかの行事がありますね。前住んでいた所でも行事はあまりなかったので、同じ糸島でも地域の違いがあるんだと思いました。

糸島市の暮らしで不便、負担に思うこと、改善してほしいことはありますか?

 
 子どもの通学が1時間かかることですね。朝は集団登校していますが、7時くらいには家を出ます。雨が降ったり天気が悪いとやっぱり送迎しますね。私たち夫婦は自分の意志でここに来たので、あまり不便や不満はありませんが、子どもはちょっとかわいそうだと思うこともあります。

糸島市で暮らして良かったと思うことはありますか?

 食べ物が美味しいこと。飲食店も美味しい店が多いです。東京の友だちも遊びに来るのを楽しみにしています。
 特に美味しいのがお味噌。JA糸島の婦人部が作っている味噌は、麦が入っているから味が深いんです。東京にはこんな味噌はなくって、友たちにも送ってあげています。牡蠣も送りますよ。1kg1,000円だなんて金額信じられない!って言われます。


 

それとカナギ。カナギをにんにくとオイルでグツグツ煮込むとめちゃくちゃ美味しいですよ。裏で採れるふきのとうもオイルで煮てカナギとピザに載せたら…!絶品です。
 糸島に来て、季節の旬のものを食べるようになりましたよね。ニンニクがなければ、葉の部分を食べるとか、旬じゃないものは別のもので代用する知恵も付きました。その時どきの旬で美味しい物を食べる生活ができるのは、とてもいい事だと思っています。

今後糸島市でどんな暮らしをしていきたいですか?

 もっと断捨離したい。いらないものが多いけれど、増やさずにあるものを使い、必要な物だけで暮らす生活をしたいです。いずれタイミングが合えばお店を始めたい気持ちもあります。ただ、ずっと糸島に定住するかというとまだ不明です。糸島に不満があるのではなく、もっと別の地域に住んでみたい願望もあるんです。

これから一貴山校区への移住を考えている人へのアドバイスをお願いします。

 地域によっては行事や出事が多いですが、行事に参加すれば地域の人と仲良くなれるので積極的に参加して楽しんだらいいんじゃないでしょうか。私たちみたいに田舎らしい生活を求めて他所から来ている人は、田舎だからこその慣習や行事を楽しめるんだと思います。