周囲は緑いっぱいで、静かで、夏には庭から天の川が見えるんです

プロフィール(2016年3月現在)

●お住まいの校区…引津校区

●40代女性

●住まいの形態…新築一戸建

●家族構成…夫 本人 長女(9)、長男(7)

●職業…夫 自営業 妻 個人事業主

●糸島居住歴…9年半

●以前の住まい…福岡市

●住まいの設備…電気・上水道・井戸水(散水用)・浄化槽・インターネット光回線、ガス発電

●車の所有台数…2台

糸島市での生活費・買い物事情について

1ヶ月のおよその家計を教えてください。

  • 光熱水費
    上下水道代…約5,000円(下水は浄化槽)
    電気代…約15,000円
    ガス代…約15,000円
  • 食費…約45,000円(外食含む)
  • ガソリン代(1台)…約15,000円
  • 子どもの教育費(保育料・習い事など)…児童クラブ(2人)6,750円
  • 絵画・英会話・学習塾・習字…約20,000円

糸島市への転入前と比べて、家計の出費でどんな変化がありましたか?

 光熱水費が高くなりました。食材は糸島産の野菜や魚は安いです。でも糸島産じゃない食材はちょっと割高のような。公民館やお店などで子ども向けにしているイベントは、参加費が安かったり無料だったり。内容も良いですね。九大生がしてくれるものもあります。
 福岡市内にいたときと比べると、子どもに使う衣服代やランチなどの交際費は減りました。

普段はどこで買い物をしていますか?

 食材は糸島市加布里にあるスーパーがメインです。カードも作っています。ほかはホームセンター、ドラッグストアなどです。小さな直売所も利用したり、たまに配食サービスを頼むこともあります。本や子どものおもちゃ、家電などはネットで購入しています。

お住まいの校区について

お住まいの校区で好きな場所やおすすめポイントは何ですか?

 海は芥屋の海水浴場や気軽に行ける寺山海岸が好きですね。加布里湾あたりから見える夕日はとても綺麗です。冬は牡蠣小屋にも行きます。小富士の梅林もいいですね。秋には農園でみかん狩りも楽しいです。夏は近くでホタルも出るし、星はものすごくよく見えるし…。四季を通じていいところがいっぱいです。
 引津小学校では、校区内にある醤油蔵や船越のいりこ工場を社会見学に行きます。給食にも使われているし、食育にもなっていますよ。

校区の行事や活動についてはどう思いますか?

 地域の人との交流もさかんで、三世代で住んでいる家が多く、おじいちゃんおばあちゃんたちが協力的だし、九大生が授業に来て計算の丸付けなどをしてくれることもあります。
 行事でいえば、夏は小学生の相撲大会ですね。参加する子どもたちはものすごく気合が入っているので、親も地域の人も一丸になって協力していますよ。引津校区はソフトバレーなどの球技大会も盛んです。伝統的な行事も多いと思います。夏祭りの盆踊りでは、子どもと大人で行政区内の初盆のおうちを回り、庭で盆踊りをします。ほかにもいろんな行事があります。地域との交流や伝統の伝承になっているのでなるべく参加します。でも、手伝いや準備があるので大変だなあと感じることもあります。

地域の人との付き合いで気をつけていることはありますか?

 心地よい距離感を心がけているというか。あいさつや子どもを通じてコミュニケーションをしているので、顔見知りになった農家のおばあちゃんたちが野菜などを分けてくれます。引っ越した当初は、赤ちゃんだった子どもを近所の人が見に来て、家に上がっておしゃべりをするので距離感の近さにびっくりしましたが、そういう親近感が今の付き合いにつながっているんだと思います。

糸島市への転入について

糸島市への移住のきっかけと経緯は?

 夫は東京に仕事で住んでいたんですが、12年くらい前に独立して福岡に戻ることにしました。もともと福岡県の田舎の出身だったので都心ではなく、福岡県内の新天地の田舎で暮らしたいと考えたそうです。そこで糸島を中心に土地を探していました。夫の祖父が戦時中志摩の小富士にあった軍の飛行場にいたことがあって、なんとなく志摩に縁を感じていたようです。仕事関係の知り合いに、今の土地が空いているよ、と紹介してくれました。可也山の近くで、周囲に田園が広がり、海にも遠くなくて、夫は気に入ってすぐに購入したそうです。それが私と結婚する直前のことです。当時は私は福岡市内に住んでいて、結婚後に家が建つまで、そこで2人で暮らしました。

糸島市に移住してきて感じたギャップはありませんでしたか?

 隣接した家がないので開放感があります。周囲は緑いっぱいで、騒音がなくて静かで、夏には庭から天の川が見えたり、すぐ近くでホタルが飛んでいます。東京や福岡市内では考えられないことで、良い方のギャップですね。
 ただ車がないと生活は難しいかもしれません。引津だと最寄りのスーパーは、弁天橋を渡った向こう側のスーパーマーケット。駅も遠いし、バスは1時間に1本程度で、天神や博多駅へのアクセスには不便ですね。

糸島市の暮らしで不便、負担に思うこと、改善してほしいことはありますか?

 車以外での交通手段が不便なことです。買い物に行きづらいですし、バス通学をする子は大変そうです。
 公園が少なく、遊具のある公園がこのあたりにはありません。小学生が気軽に遊んで楽しめる場があるといいと思います。科学館とか教育的な施設だといいですね。

糸島市で暮らして良かったと思うことはありますか?

 気軽に海に行けたり、友だちを家族ぐるみで招いて庭でバーベキューしたりできます。芥屋の立石山や可也山など気軽に登れる山もあるし、公民館や糸島市が主催する行事も結構楽しいですね。九大の大学祭も子どもたちが喜んでいますね。移動式天文台のいとしま天文台はいいですよ。人数がそろえば大きな望遠鏡を持って出張してきてくれます。

今後糸島市でどんな暮らしをしていきたいですか?

 糸島で自営で仕事をしているので、農業や漁業の特産品、地元の振興、自然との共生などがつながるようにできたらいいなと思っています。だからといって糸島だけに固執するのではなく、インターネットを使えばローカルに住みながら、グローバルな視野を持ち続けられます。仕事や子どものこれからの人生では、特に生かして行きたいです。

これから引津校区への移住を考えている人へのアドバイスをお願いします。

 居住する行政区によって変わりますが、引津校区では昔ながらの行事や付き合いが残っている地域が多いです。そこはそういうものだと思って、参加したほうが良いと思います。子どもの友達付き合いや経験が広がるし、自分も地域のコミュニティに入ることになります。そうやって地元に馴染んでいくことになるんだと思います。