一生懸命農業に取り組み、行事にも参加していると、農家の人が作物の作り方を教えてくれることがよくあります。

プロフィール(2016年3月現在)

●お住まいの校区…可也校区

●40代女性

●住まいの形態…中古一戸建

●家族構成…夫 本人 子供3人

●職業…夫婦とも農業

●糸島居住歴…12年

●以前の住まい…福岡市

●住まいの設備…電気・ガス・井戸水・簡易水洗・インターネットADSL回線・お風呂は灯油、太陽熱を利用

●車の所有台数…4台

糸島市での生活費・買い物事情について

糸島市への転入前と比べて、家計の出費でどんな変化がありましたか?

 光熱費が高いと感じます。福岡市に比べる子どもの医療費の補助も少ないですね。自治会費や区費、仕事の農業の関係で水利の費用もかかります。
 移動が公共交通から車に変わったのでガソリン代がかかるようになりました。でも駐車料金を気にせずに止められるところが多いですね。野菜は新鮮で安いです。

普段はどこで買い物をしていますか?

 食材は農協のスーパーや直売所で買います。生活協同組合の配達も利用しています。文具や事務用品は大型ショッピングセンター、日用品やお菓子などはドラッグストア2、3軒を利用します。
 インターネット通販では専門書や子どもへのプレゼント、インターネット通販のほうが安いものを買います。
 子供は服や装飾品にこだわりがあって、この辺りでは手に入らない物をインターネット通販で買います。

お住まいの校区について

お住まいの校区で好きな場所やおすすめポイントは何ですか?

 可也山は登山も半日で十分に楽しめるし、眺めるのも好きです。火山の瑠璃光寺は桜やもみじなど季節の自然が美しいですね。
 福岡の都市部に行くと人酔いして早く糸島に戻りたくなります。帰る途中で可也山が見えてきて、田舎ののんびりした感じが広がってくるとホッとします。

校区の行事や活動についてはどう思いますか?

地域は高齢化が進んで、運動会や炊き出しなどの行事や役員の仕事の負担が少し大変だと感じることもありますが、田舎だからそういうものだとも思っています。

地域の人との付き合いで気をつけていることはありますか?

 地域の決まり事を守り、行事にも協力しています。
 農業は季節によって忙しい時期があるので、行事と農繁期が重なると参加できない場合もありますが、そのことをちゃんと地域の人に伝えているので問題になったことはないです。

糸島市への転入について

糸島市への移住のきっかけと経緯は?

 巡りあわせの縁があったんだと思います。以前は福岡市に勤務していました。
 二人ともいずれ農業を営みながら子どもは田舎でのびのび育てたいと考えており、就農フェアなどに参加し、就農支援をする農家の人に出会い、農家で働きながら農業の研修をさせてもらいました。
 1年以上仕事と農業研修をする生活をしながら、自分たちの農地を探しました。子どもが小さかったため実家の福岡市西区に近いエリアを中心に探しました。糸島にも足を運び、当時の役場に相談に来たら、たまたまその時に農業を辞める人がいて、その人の土地を借りることができ農業を始めることができました。
 その後まじめに農業に取り組んでいることが認められてくると、農地を貸してくれる人や家探しに協力してくれる人が現れ、今の家も紹介してもらいました。

糸島市に移住してきて感じたギャップはありませんでしたか?

 引越しと同時に農業を始めることになり、生活環境も仕事も何もかもがすっかり変わり、前の暮らしと比べようもなかったですね。仕事はちょっとした空き時間はとれますが、一日オフの日はお正月とお盆休みぐらい。遠出や旅行はしづらいです。
 隣近所の方からはよくしてもらっています。地域の行事は多いですが、そこは覚悟していたので困ることもないです。

糸島市の暮らしで不便、負担に思うこと、改善してほしいことはありますか?

 駅や中心街から離れていて、子供だけでの行き来が不便だと感じます。公共の交通手段も少なく利用しにくいです。雨が降ると送迎することが多くなりますね。

糸島市で暮らして良かったと思うことはありますか?

 食材が新鮮で安くて美味しいです。近所の農家の人や子どもを通じて仲良くなった人などからよく野菜を分けてもらっています。引越ししてきてすぐに分けてくれる人もいましたね。歓迎してくれたんだと思います。子どもたちは近所のビニールハウスや納屋で遊んでいます。学年関係なくみんな顔なじみです。

今後糸島市でどんな暮らし方をしていきたいですか?

 今はまだ取り組んでいないような果物や野菜を育てたり、産直に卸したりして、糸島の自然をゆったり満喫する暮らしをしたいです。まだいつになるかわからないですけれどね(笑)

これから可也校区への移住を考えている人へのアドバイスをお願いします。

 糸島で農業を始めた人で、5年続いている人は約2割程度です。うまくいっている人は多くありません。
 とにかく最初は努力と忍耐ですね。でも一生懸命農業に取り組み、行事にも参加していると、農家の人が作物の作り方を教えてくれることがよくあります。
 他の地域ではあまり考えられないことで、糸島には優しい人が多いと思います。糸島で農業を始めたい人は、地域の行事を大切にしつつ、根気よく農業を続けてほしいですね。