糸島の人の営みに触発されて、街も自然も楽しんでいます。
街に住み、山へ海へ。糸島の自然と暮らしが調和
柳詰さんの住まいは、JR「筑前前原駅」の南に広がる住宅地にあります。糸島市と福岡市の天神、博多駅を結ぶ高速バスの乗り場も徒歩圏内。
「海のそばも考えましたが、この便利さは魅力でした」
週に三日、福岡市内の勤務先に出勤、他は自宅を中心にリモートワークで仕事を行っています。
糸島へ越して来るまで、転勤族の夫とともに青森、千葉、埼玉など全国を転々。定住を考え始めた時、実家にも近い糸島が浮かび、「勢いと勘で」決めたそうです。当時、小学生だったお子さんは二人とも中学生に。「それまで一年ごとに転校していましたから、可哀想で。今は友達ともうまくいっているようで、それは元気です」
その元気の理由がもう一つありました。柳詰さんは両親の影響で小さい頃から大のアウトドア好き。糸島へ来てからも、家族や子どものスポーツ仲間の家族と一緒に、市内のキャンプ場はもちろん、県外へも何度も出かけています。キャンプ熱が高じて、最近はキャンピングカーを購入したほど。
「いつかソロ(キャンプ)デビューしたいな(笑)」と。こんなお母さんなら子どもたちも楽しくないはずがありません。
駅へ向かう途中、糸島富士・可也山の全容を望むことができるのも、柳詰さんの密かな楽しみです。
糸島で広げたネットワークが、チャレンジ精神を育んだ
「糸島は、いろいろなことにチャレンジする人がたくさんいるので、私も何かやりたいという気持ちが芽生えました」という柳詰さん。そのきっかけとなったのが、市が以前、開催した「ママライター講座」の受講でした。生来の活動的な性格に加え、講師やライター仲間との出会いが、柳詰さんのネットワークを広げています。
昨年は、前原商店街にオープンした本屋さんの準備段階から手伝いました。この本屋さん、30センチ四方の本棚一つひとつにオーナーがいるユニークなお店。柳詰さんはその本棚におすすめの書籍を並べるオーナーの一人です。
前原商店街は、旧唐津街道沿いに歴史ある店が軒を並べていますが、近年はシャッターを閉じたままの店が目立つようになっていました。そこへ、移住者のアイデアを地元の人が支える形で、空き店舗を活用した新しい店が一つ、また一つとオープン。本屋さんもそうやって生まれました。オーナーが交代で店番をする仕組みです。
「運営者が移住者で、そこに集まる人も個性的な活動をやっている人が多く、元気をもらっています」と柳詰さん。本を媒介にした新しい交流の場ともなっていて、月に一度のペースで回ってくる店番を楽しみにしています。
充実した日々を送る柳詰さんですが、糸島に来てから、急ぐことがなくなり、自分のペースでゆったり過ごせるようになったそうです。「市街地だけどゴミゴミしていないし、海や山の自然も近い。暮らしやすい便利な田舎です」。
ところで、これまで一度も登場しなかったご主人のことについて。やはり出張は多いそうですが、家にいるときはたいてい海釣りにでかけるのだそうです。
プロフィール(2022年3月現在) ●柳詰紘子さん 40代 ●糸島居住歴 4年 ●仕事 パート勤務 ●以前の住まい 東京都