在宅勤務になったことで家庭での時間も増え、家族と夕食もとれるように。

広島から糸島市に移住してきた青木陽平さん。土木建設用の機械を扱う会社で、設計の仕事をしています。テレワーク期間中は、集中して仕事をするために糸島市テレワークセンターを利用。テレワークで家族との時間が増え、これまで見えていなかった家事の大変さにも気づき、テレワークの良さを実感。休日には近くの海で趣味の釣りをしたり、子どもたちと磯遊びをしたりなど、自然を楽しんでいます。

◆糸島でのテレワークの働き方

—移住先に糸島市を選んだ理由を教えてください。

2016年4月に広島から糸島へ移住してきたのですが、妻と子どもだけが先に糸島へ引っ越してきました。そのとき私は、1年半は単身赴任をしていたのですが、週末仕事終わりに広島から最終の新幹線で帰ることができるのが、糸島を選んだ理由です。出身は私も妻も唐津(糸島市の西となり)で、義母は糸島で仕事をしていたこともあって糸島に馴染みがありました。

—現在の働き方(仕事)について教えてください。

仕事は、土木建設用の機械を扱う会社で、主にトンネル工事の建設現場で土砂を運ぶためのベルトコンベアの機械設計をしています。CAD(コンピューターによる設計支援ツール)で図面を書いたり、機械の納品後は現場に行って据付け確認をしたりしています。緊急事態宣言が出る前でしたが、2021年8月から9月末までは、会社の指示で完全にテレワークをしていました。その後続けることもできましたが、会社で顔を合わせるほうがコミュニケーションを取りやすいので、今は会社がある福岡市まで通勤しています。 通勤は電車と高速バスを使い分けています。朝の高速バスは渋滞で時間通りには着きませんが、人の出入りが少ないので気持ちとしては楽ですね。帰りはバスの最終便が早いので遅くなるときは電車を使っています。

—テレワークをするようになったきっかけを教えてください。

やはりコロナの影響ですね。2020年のゴールデンウイークあたりに会社から初めてテレワークの指示が出ました。そのときは週2~3日出社して他の日は自宅でテレワークをしていました。 会社から言われたときは、うれしさ半分と不安半分でした。通勤時間がなくなるのはうれしかったですが、一方で「自宅で集中できるか?同じ効率でできるか?」という不安な気持ちもありました。

—テレワークの業務内容について教えてください。

テレワークのときは、会社の定時の9時から17時30分までは自宅と前原テレワークセンターで仕事をしていました。テレワークセンターが9時半から始まるので、それまで家でメールチェックやその日にやることを上司にメールで報告していました。テレワークセンターに行ってからは担当現場のベルトコンベヤの基本計画図をCADで書いたり、機械の強度設計の構造計算をしたりしていました。16時の閉館後は帰宅し、朝と同じようにメールチェックをしていました。夕方には、子どもたちが帰ってきて集中できないので、重要度の低い雑務的な業務を行っていました。

—テレワークをする上で工夫していることはありますか?

細かい設計図を見ることが多いので、30分に3~5分は休憩を取るようにしていました。一気に集中しすぎると疲れがどっと出るので、会社にいるときも同じように休憩していたのですが、自宅でテレワークをしていたときは、15時におやつを食べて気分転換していました。おやつは妻が準備してくれてありがたかったです。 また、気を付けていたのは、何かトラブルがあったときには関係者への情報共有の漏れがないように連絡を入れていたことです。会社にいるときは何気ない雑談の中で「あの件どうなった?」と聞けますが、テレワークだと面と向かって話ができないので困ったこともありました。設計では少人数のチームでLINEグループを作って、ちょっとした質問はそこでやりとりをしたり、急ぐときは電話をしたり。どちらも「相手の時間をとらないように」という意識で質問するタイミングに気を付けていました。

—テレワークをして良かったこと、またどんな変化がありましたか。

家族との時間が増えたことが一番良かったです。通勤していた時は、帰りが遅かったのですが、テレワーク中はみんなで夕飯をとることができました。昼食時に三男が寝ているときは、夫婦で子どもたちの成長を振り返ったり、雑談をしたり。次男の幼稚園の送り迎えもできました。子育て期間中にテレワークの経験が出来て良かったと思います。 また、それまで見えていなかった家事が見えるようになり「こんなに大変なんだ」と気付き、洗濯物を干すようになりました。我が家は朝に洗濯機を回していますが、何かと忙しい時間帯なので妻からは助かると言われます。出社となった今も続けています。 実は、社内で「水曜日はノー残業デーにする」という動きがあるのですが「ノー残業デーではなく、テレワークデーにしたら良いのでは?」と会社へ提案をしようと思っています。

◆糸島市テレワークセンターとの関わり

—どんなときにテレワークセンターを利用しましたか。

2021年8月初めから会社の指示で完全テレワークになったのをきっかけに、ちょうど子どもたちの夏休みと重なったこともあり、インターネットで見つけて利用するようになりました。8月から9月中旬ごろまで利用しました。

—テレワークセンターを利用して良かったこと。

初めて利用したときは、テレワークセンターの前で「ほんとに入っていいのかな」と思いました(笑)。実際利用してみると集中して仕事をできたのが一番良かったです。緊急事態宣言中は、利用者の人数を制限していて人も少なかったですし、個室が利用できたので周りを気にせず仕事ができました。会社より居心地が良かったくらいです。

—テレワークセンターがあることで良かったと思えたこと。

自宅でテレワークしていたときは、長男の部屋で床に座って小さい机でパソコンを開いて仕事をしていました。仕事の電話のときは、家だと子どもの騒音や雑音が気になったり、泣き声がしたときには相手も気を使ったりと仕事の環境が整っていませんでした。集中でき、電話もしやすいテレワークセンターがあって本当に良かったです。 今後のテレワークの利用について、今は会社でテレワークをする人がいないこともあり出社していますが、会社でテレワークをする日を設けるなど機運が高まれば、テレワークにしたいと思っています。

◆糸島での楽しみ

—糸島での休日の過ごし方を教えてください。

釣りが趣味なので、日の出前から船越漁港や野北などで2時間ほど楽しんでいます。狙っているのはサゴシ、スズキ、ヒラメなどで、自分でさばいて刺身にして家族で食べます。昨日も朝1人で釣りに出かけ、昼頃家に帰って、午後からはまた家族で釣りに行きました。ヒイラギとサッパが釣れたので今日の夕飯で食べる予定です。 ほかに家族で行くところは公園が多いです。「ファームパーク伊都国」や福吉のしおさい公園など子どもたちが行きたい所へ出かけています。しおさい公園は小さい子ども用の落ちないブランコがあるので三男は気に入っています。

—糸島でお気に入りの場所や食べ物、オススメのものを教えてください。

お気に入りは大口海岸です。釣りもできるし夏は海水浴もできます。砂浜だけでなく岩もあって磯遊びもできるので、子どもたちは生き物観察を楽しんでいます。今年の夏は海水浴と磯遊びで5回ほど行きました。食べ物は秋冬が旬のサワラがおいしく、炙った刺身を「志摩の四季」で買ってきます。「福ふくの里」にも行きますね。直売所でスーパーにはない珍しい魚を見つけるのも楽しみです。

プロフィール

●青木さん

【家族構成】妻、長男(小4)、次男(年中)、三男(2歳)